ケナフ気まぐれ成長記録 紙を作るまでの順序

説明と挿絵は
 (そだててあそぼう[17]ケナフの絵本 発行所 社団法人農山漁村文化協会 1800円 )
を参考/コピーさせて頂きました。
実際にやってみた感想を右側に記載しました。


1. 収穫から部材の取り出しまで
1.1 ケナフを根元から切り倒します。ナタか生木用ののこぎりがいいでしょう。
このケナフは9月11日の台風の強風で倒れかけましたが、
ずっと枝だけはまっすぐに立て直して成長していました。
しかし根が浮いてしまったので切る事にしました。

今日10月3日の昼休みは2時間になってしまいました。
1.2 仕分けや掃除が楽になるように作業場所を準備します。
高さは(まっすぐなら)3mくらいですが、
二畳用のブルーシートで作業はできます。
1.3 幹と枝と葉に分けます。
幹から枝を切り落とし、枝の葉も切り落とします。
 葉は手でもちぎれるので、小さい子どもでも安全です。
 ナタやナイフは正しい使い方を復習しておいて下さい。

葉は堆肥にするのが一番いいそうです。
燃やしたら、二酸化炭素も窒素も空に戻ります。
1.4 靭皮部(ジンピブ)と木質部(モクシツブ)を分けます。
靭皮部と木質部は簡単に剥がれます。
根元は靭皮部も厚みがあるので切り込みが必要です。
面白いようにどんどんあっという間に全部剥けます。

子どもなら取り合いになるくらい面白いのではないでしょうか。
匂いや樹液が殆ど無いので始末が楽です。
1.5 仕分けた材料の後処理。
靭皮部は全部で1050gありました。
 洗濯用のネットに入れて水につけておきます。
 前回(まだ暑い時期)でも二週間かかりました。
 今回は三週間くらい放置しておく必要がありそうです。
木質部は
 ゴボウのキンピラのようにしてから水につけます。
 でもこれは大変なので悩んでします。
 幹の部分は軽くてちょっと丈夫な丸太になります。
1.6 靭皮部から繊維の取り出し
ここの部分が
ケナフから紙を作る
準備作業の
一番やっかいな所です。

水につけておくと表皮が腐って剥がれ落ちます。
水はすっぱいようないやな匂いがします。
バケツに沈めて庭の隅に放置しておくしかないでしょう。

表皮が落ちて靭皮部がほぐれると、
きれいな白い繊維になります。
ただ、ムラがあるので、洗ったり叩いたりの作業が必要です。
2. パルプを作るまで
2.1 ステンレス鍋で約1時間煮ます。

ここまでの準備は、
待ち時間が多くてなかなか進まない感じでしたが、
ここからは一気に進みます。

まずは30cm位に切って単純に煮るだけです。
ステンレス鍋は沸騰するとバチバチと、
小爆発的に沸騰するので台所では嫌われています。

材料1Kgで30cmの鍋がいいようです。
2.2 十分に水洗いします。
白い繊維が少し赤くなり、量も減るようです。

煮ても繊維はほぐれません。
煮る前に繊維をほぐして2cm位に切っておいても
いいと思います。

木質部は煮る前によほどほぐしておかないと
木の姿のまま残ります。
また後続の工程でもほとんどほぐれませんので、
木質部を混ぜる時は念入りな準備が必要です。
2.3 繊維1Kgを2cm位に切ってよくほぐします。
ミキサーで相当繊維がほぐれます。
でも力の弱いミキサーでは止まったりします。
特に木質部はタチガワルイ。

この後、アルカリ液で煮ますが、
煮てもたいして繊維はほぐれません。

ここで十分にほぐしておくといいと思います。
2.4 水250ccに重曹50gを溶かします。
繊維1Kgあたり重曹50gとの事です。
2.2の工程後よく水を絞った状態で、約800gでした。
 (2.5mのケナフの靭皮部全部)
重曹は、スーパーで60g入りの箱が78円、でした。

水に溶かしても完全には溶けません。
およそ水に混ざっていて流し易くなればいいのでしょう。
2.5 ステンレスの鍋で約3時間煮ます。途中水を足します。
30分毎に水を足すのがよさそうです。

思った程匂いはきつくありませんが、
蓋を開けたときの匂いは室内では問題がありそうです。

どんどん赤くなっていきます。
2.6 十分に水洗いします。ザルや布袋を使うと便利です。
体積は生の状態の半分以下になります。

台所のザルと洗面器を利用して
水を流しながら押し洗いしました。

どの程度洗えばよいか分からないので、
洗ったりつけおきしたりとしつこく洗いました。

塊のままの繊維は金槌で叩いたり手でばらしました。
2.7 すぐ使わない分は水気を切って冷蔵庫に保管します。
両手でやっと丸められる程度の体積になりました。

水をしっかり絞った状態で400g弱になりました。

これでパルプの出来上がりです。

最初白かった繊維はすっかり赤褐色です。
乾燥してどの位色が薄くなるかが見ものです。
3. パルプから紙をすくまで
3.1 パルプ15gと洗濯のり少々(はがき5枚分)をミキサーにかけます。
15gというのは乾燥状態での重量かもしれません。

実際には40gを使って厚手が2枚と薄手が1枚でした。

ここで、余程ドロドロになるまで攪拌しておかないと、
次の工程でうまく広がらなので要注意です。
失敗:木質部を少し混ぜていたのですが、
  どうしてもほぐれてくれないので、
  手間暇かけて全部除去するハメになりました。
  重量は全部で400gから360gになりました。
3.2 葉書1枚分に小分けしたものを枠に流し込みます。
15mm角の棒で 101mm x 152mm の枠を作りました。
3mmベニヤで 100mm x 150mm の板を作りました。
網は天竺木綿で代用しました。

ここからの作業はあっという間に終わります。
紙すきの代表的な作業ですが、
実は全体の百分の一にも満たない所要時間です。
3.3 指を使って平らになるようにします。
流し込んだ材料は均一にはなってくれません。

水気の多いうちに指で押さえるようにしてならします。

薄い紙にするにはミキサーでの準備次第でしょう。
うまく広がらないとどうしても厚い紙になります。
3.4 パルプを均一にしたら静かに取り出します。
私の仕掛けは布と枠だけだったのでこの工程はありません。
布をひき、枠を置き、パルプを流し込みます。
自然に水分が抜けていきます。
水と指でパルプが均一になるようならします。
水が引いたら、枠の中に板を入れて押し付けます。
枠を取り上げ、布の余り部分を板の上にたたみます。
3.5 板を枠に落としこみ押さえつけて水を絞ります。
金網ならパルプとは簡単に剥がせるのでしょう。
ベニヤ板にはパルプがくっついてしまう可能性があります。
パルプと板の間に布を挟むと作業がし易くなります。

水切りは両サイドを布にはさんで板で押します。
後は自然乾燥を待つだけです。

ケナフから紙を作るのは”待つこと”みたいなものです。
3.6 重ねて重しを乗せて平らに自然乾燥させます。
9月30日に、ここまでやってみました。

今回は台風で倒れたケナフを利用してのテストです。
まだたくさん残っています。
もしご希望の方がいらっしゃいましたらご連絡下さい
ケナフを差し上げます。
3.7 急ぐならアイロンかけという手もあります。ひねりが出るのでまた押し延ばしします。
4. 完成品サンプル
4.1 ケナフから初めて作った葉書(のつもり)
まるで薄いアゲのようです。
乾燥しているとゴワゴワした厚手の紙です。
 紙と実感できるのがうれしい。
湿気を帯びるとすぐヘナヘナになってしまいます。
 紙すきの工程でちょっと失敗した自覚もあります。
 (のりの量が不明、乾燥の手順で無理もした)
色と厚さと強度が要改善点です。